こんにちは、カトレアです(^^♪ 今回は毎年恒例になりつつある、山の日の遠征編です^^♪ 去年は新潟で八海山弥彦山に登りましたが、2020年は・・長野県と岐阜県の県境に位置し、古くから信仰の山として多くの人々の心象風景に深く刻まれてきた御嶽山(おんたけさん)を二日に渡って別ルートで攻めました!

標高3,000mを超える山としては、日本国内で最も西に位置しています。火山としては富士山に次いで2番目に標高が高い山で、剣ヶ峰(標高:3,067 m)を主峰にして、摩利支天山(標高:2,959.2 m)・王滝頂上(標高:2,936 m)などなど、いくつもの外輪山をもつ複合成層火山です。

2014年9月27日には7年ぶりに噴火し、山頂付近にいた登山客が巻き込まれるという痛ましい事故が起こりました。今年の8月1日に噴火後初めて規制解除となった、田の原遥拝所~王滝頂上ルートで、王滝頂上(標高2,936m)に登りました。

田の原駐車場(標高2,180m)5:34⇒御嶽神社遥拝所(標高2,190m)5:45⇒大江大権現(標高2,285m)5:57⇒あかっぱげ(標高2,380mm)6:12⇒8合目金剛童子(標高2,475m)6:32⇒富士見石(標高2,625m)7:04⇒9合目一口水(標高2,700m)7:22⇒大のぞき・中央不動(標高2,850m)7:40⇒王滝頂上(標高2,936m)7:55{2時間21分} <<下山>> 王滝頂上(標高2,936m) 8:00⇒田の原駐車場(標高2,180m)9:25{1時間25分}

カトレアカトレア

山チャンネル史上初となる、森林限界を超える標高です!


カゲレアカゲレア

夏はやっぱり森林限界!


やっぴこさんやっぴこさん

二日目は、摩利支天山(標高:2,959.2 m)も制覇!


すっかり過ごしにくくなってしまった、日本の夏。キンチョーの夏。ついに山チャンネルは、雲の中に突入です。登山口を変えて、長野県側からも岐阜県側からも【御嶽山】にアプローチ!

歩行距離:7km
歩行時間(休憩含む):登り2時間21分/下り1時間25分
最大標高差:756m(最高地点:王滝頂上2,936m、最低地点:田の原・王滝登山口2,180m

ただ最高峰の剣ヶ峰は次回に持ち越しとなってしまったので、百名山としてはカウントせずにいつかのお楽しみとしてとっておくことにしました♪

今回は富士山、白山、立山と並び日本有数の霊峰として知られる御嶽山・王滝頂上(標高2,936m)への登頂レポです!

標高2,180mの田の原駐車場からスタート

登山道王滝口の起点となる田の原は御嶽山7合目(標高2180m)に位置します。駐車場は普通車ならば百台以上駐車が可能で無料!綺麗な水洗式トイレもあって、一晩中灯りもついていました。この日の日の出時刻は5時05分。日の出前から準備を始め、明るくなってからのスタートです。

駐車場の標高はすでに2,180mもあるので、朝の気温は14℃くらい。寒いかな~と思っていたのですが、涼しさに毛が生えた程度の快適温度でした^^

田の原駐車場のすぐ脇に御嶽神社(おんたけじんじゃ)の石の鳥居があります。鳥居の横には立派な御嶽山登山道の石碑が建っていて、左手の建物が御嶽神社・田の原社務所です。

日が登り、どんどん明るくなっていきます。日の出前と日の出後で、鳥居の雰囲気も全然違いますね!田の原駐車場からの王滝口ルートは、4本ある登山道の中で山頂への一番最短コースになります。鳥居をくぐっていよいよ登山開始♪

御嶽山王滝口ルートから5時34分に登頂開始!

田の原駐車場から御嶽神社の鳥居をくぐり、最初は平坦な道のりです。目の前には白装束に身を固め、金剛杖を持った方がシャリンシャリンと歩いていました。後を追うように参道を進みます。

しばらくは、田の原天然公園内の砂利が敷き詰められた平坦な遊歩道を進みます。いくつもの鳥居が建つ田ノ原大黒天がありますが、白装束さんが先にお参り中で「六根清浄」を唱え始めたので先に進みました。

さらに歩いていくと、登山口から700m程の所に御嶽神社遥拝所があります。

カトレアカトレア

遥拝所とは遠くからお祈りする場所のことです。


カゲレアカゲレア

山頂まで行けない信者さんは、ここから御嶽山を遥拝するんだって!


やっぴこさんやっぴこさん

ここから先へ行くには登山装備が必要だよ!


2014年の噴火から続いていた御嶽山「王滝頂上」に登るルートの立ち入り規制は8月1日に解除され、6年ぶりに一般登山者の姿が戻りました。2014年9月の噴火では58人が死亡、今も5人が行方不明のままなのだそうです・・

令和2年8月1日(土)午前8時から 田の原遥拝所~王滝頂上の登山道に限った規制緩和を実施。

  • 規制緩和の期間:令和2年8月1日(土) ~ 令和2年10月13日(火)
  • 規制緩和の時間:田の原遥拝所⇔9合目避難小屋 終日
  • 9合目避難小屋⇔王滝頂上 午前7時~午後2時まで

※悪天候の場合、予告なく登山道を規制することがあります。

王滝口登山道に関する情報はこちら(王滝村公式サイト)

御嶽神社の御祭神は国常立命(くにとこたちのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこのみこと)です。天地力を分け与え、五穀豊穣、子宝・縁結びを祈願し、長寿を護り、病難を癒すとされています。

遥拝所を過ぎると平坦な道が終わり、少しづつ登り坂がはじまります。階段になっていて歩きやすく、とてもよく整備されています。

1kmほど歩いてくると鳥居があって、大江大権現に着きます。

カトレアカトレア

明治初年までは、この先は女人禁制だったようです。


カゲレアカゲレア

ここから、どんどん道が険しくなっていくよー!


樹林帯の中の石段や木段をひたすら登ります!標高もどんどん高くなるので、いつもより息切れします。ゆっくりペースで適宜立ち止まって息を整えながら階段を登ります。

赤土のザレ場・あかっぱげ(標高2,380m)

通称『あかっぱげ』と呼ばれる、赤土の露出したザレ場ゾーンまでやってきました。谷側に滑落防止用のロープが設置されています。

振り返ると、靄のかかる空と緑が二層になった景色。「あかっぱげ」を過ぎると周りの木の高さがだんだん低くなり、展望が開けてきます。そろそろ森林限界地点です^^

森林限界を突破!8合目・金剛童子(標高:2,475m)

登り始めて1時間程で8合目の金剛童子(こんごうどうじ)までやってきました。昔は登山する道者たちは、ワラジを必ずここで履き替えたのだそうです。

この辺りが森林限界で、完全に視界が開け立木がなくなります。

森林限界(forest limit、tree line)とは?
針葉樹林帯(亜高山帯)からハイマツなどの低木帯(高山帯)に変わる地点のこと、あるいは高木が育てなくなる限界高度のことを差します。 最暖月の平均気温が10℃の線に一致するともいわれています。

階段状で歩きやすかった登山道が、徐々にゴツゴツとした岩の道に代わります。

段々と霧が深くなって、視界が悪くなります。周りをみても真っ白で、景色が見えなくなりました;雲の中に突入かな?水蒸気がミスト状になって、身体を濡らします。

8合目金剛童子の少し上にある、8合目石室避難小屋に到着。中で少し休憩していくことにします^^

8合目・石室避難小屋

小屋の中は、5-6人が座って休憩できるくらいの広さです。水やヤカン、ストーブや毛布、ヘルメットなど避難に必要なグッズが置いてありました。

登っていると暑いのですが、立ち止まると一気に寒くなります。標高があがり気温も下がってきました。

小屋を後にして、真っ白な視界の中を進んできます。帽子のツバから水滴がポトポト!髪の毛もいつの間にかびしょびしょに濡れています。

霧雨の中を進むと、次は富士見石と書かれた石碑がありましたが・・・富士見どころか、真っ白で何も見えません(笑)

時折スーッと霧が引いて、地上の緑が綺麗に見えたりします^^ 小さくてカラフルで可愛い高山植物達。

富士見石を過ぎると、ここから先想定火口域内とかかれた看板がありました。噴火が想定されている火口、あるいは火口が生じる可能性のある領域のことなのだそうです。

想定火口域から5分程で九合目の石碑がありました。早朝出発なので、まだ7時過ぎです!いつもは、このくらいにノソノソと起きるのですが(笑) 朝活最高!有意義すぎる一日の始め方ですよね!

この先は岩だらけ!視界も悪いので、とっても歩きにくい!なんとなく風にのって硫黄の香りが漂ってきます。

標高2,700m地点にある水場「一口水」 寒くて水は必要ないので、スルーです。持参した水もそんなに飲みませんでした。

霧に包まれたり、突然晴れ渡ったりと忙しい空模様。雲の中にいるなんて、不思議な感じです。

9合目・石室避難小屋

9合目にも避難小屋があります。段々寒くなってきたので、小屋で上着を着用。ここまでは終日OKですが、9合目避難小屋⇔王滝頂上は午前7時~午後2時までと入山規制されています。

8合目の小屋と同じく、避難グッズや緊急用の携帯電話充電器もあります。小屋の外には屋外スピーカーが設置されていたのも印象的でした。

9合目の小屋を出ると、ロープが張り巡らされていて警告看板があります。

ロープの外側に出ると、刑罰に触れるのだそうです!王滝頂上までが規制緩和されていますが、火口から1km以内はいまだに立入規制がかかっています。残念ながら御嶽山の最高峰である剣が峰には、このルートからは行けません。

ロープの外に出てしまわないように気を付けながら、さらに傾斜のきつくなる道を登っていくと・・中央不動の石碑と祠が建っていました。

2014年9月の噴火では、剣が峰頂上~九合目中央不動間で死亡事故が集中していたそうです。ちょうどこの先のゾーンですね

中央不動の祠はロープすれすれの位置に立っていますが、ロープの外側右手には「大のぞき」と呼ばれている鋭く切れ落ちた崩壊地があります。

霧雨は一層ひどくなり、もう全身が細かい水滴まみれ。視界の悪い中、ロープ沿いの急傾斜をひたすら登ります。その先に、薄っすら建物が見えてきました!いよいよ王滝頂上です!

御嶽山・王滝頂上(標高:2,936m)

王滝頂上と刻まれた石碑の横の石段を登ると、鳥居がそびえ立っています。左手には建設中の王滝頂上山荘がありました。撮影禁止になっているので写真はないです。一応休憩できる小屋はありますが、現在はコロナで使用不可になっていました。

石段を登って、神社へお参り。御嶽山のピークは剣ヶ峰(標高3,067m)ですが、王滝頂上(標高:2,936m)はその手前にあるピークです。ここからが御嶽神社頂上奥社となります。

やっぴこさんやっぴこさん

霧に包まれたカトレアさん

お参りはしたものの、一面真っ白け。社務所も締まっていて、休憩所にも入れないのでそそくさと下山します。

8月1日の規制解除前日には、噴火の遺族や行方不明者家族の方々が噴火後初めて王滝頂上への慰霊登山をされたそうです。いつの日かここから剣が峰にも行けますように!合掌!

王滝頂上からピストン下山

登山ルートは一つしかないので、来た道をそのまんま引き返して下山します。下りなので楽ですが、岩や石で滑らないよう慎重に下りていきます。

何人か登山者の方にもすれ違いましたが、とても少なく感じました。単独で来ている方が多くて、ちょっとびっくり。一人でくるのは、ちょっとまだ怖いなー。

行きは余裕がなかったけど、帰りは高山植物を観察したり写真を撮ったりしながらサクサクと。

だんだん霧も晴れてきて、雲の中を脱出したようです。登りの倍速でスピーディーに下りてきました。

行きはまだ開いていなかった御嶽神社遥拝所の社務所も開いていたので、御朱印を頂きました。コロナの影響で書置きのみでしたが、頂上奥社登拝の御朱印を頂くことができました(*^^)v

行きは先客がいてスルーした田ノ原大黒天にも立ち寄りました☆財運の御利益があるとのことで、巨大な五円玉が奉納されています!

相変わらず下りは写真が少ないのですが(笑)1時間25分で無事に下山^^まだ9時25分!朝活の極みやな! この後は駐車場を挟んで向かい側にある三笠山へ登って、一日目の山行は終了です♪

という訳で、二日目の後編に続きます!今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました(´艸`*)