地名 | 旧別子銅山東平地区(きゅうべっしどうざんとうなるちく) 標高:750 m |
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所在地 | 愛媛県新居浜市立川町654-3 |
産業遺産巡りルート | マイントピア別子東平駐車場~インクライン跡~貯鉱庫跡・索道場跡~小マンプ(東平隧道)~第三変電所跡~第三通洞~マイン工房(旧東平保安本部) |
活動距離 | 0.9km |
活動時間 | 約1時間 |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
こんにちは、カトレアです(^^♪ 今回は秋のプチ遠征♪ 祝日を利用して、四国屈指の人気峰!愛媛県の【西赤石山(にしあかいしやま)標高:1,625.7 m】を制覇しました(*^^)v
山行だけでなく、東洋のマチュピチュと呼ばれる日本三大銅山のひとつであった別子銅山の産業遺跡群を巡ったり、一味違った楽しみ方も出来るんです(´艸`*)
今回も見所たっぷり、写真もたっぷりなので(笑) 東洋のマチュピチュ・東平(とうなる)の遺跡巡りと東平登山口からの西赤石山登頂編とに分けて二部作でお届けいたします。
まずは、前編♪ 当時の歴史を紐解きながらの、ノスタルジックな天空の産業遺産散策です(^^♪
道の駅マイントピア別子からくねくね山道で東平(とうなる)へ
- 所在地
- 愛媛県新居浜市立川町707-3
- 営業時間
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- 3月~10月 9:00~18:00
- 11月~11月 9:00~17:00
- 12月~3月 10:00~17:00
- 公式サイト
- https://besshi.com/
まずは銅山越の麓・端出場(はでば)にある道の駅マイントピア別子(べっし)にやってきました。ここは、別子銅山最後の採鉱本部跡地を利用した鉱山のテーマパークです。朝早いので開いていないですが、売店やレストランだけでなくお風呂もあるので下山後にすぐ入浴出来ます^^♪
ここから先は5km程山道を進んで、かつて別子銅山の採鉱本部が置かれた東平(とうなる)という場所まで行くのですが・・・
道幅がとても狭くて、対向車とのすれ違いが大変です;
運転に自信のない人は、東平まで観光バスが出てるよ!
観光バスについて詳しくはコチラ
曲がりくねった山道を20分程クネクネと進むと、マイントピア別子の東平ゾーンに到着です^^♪ 8時くらいに着いたのですが、車はまだガラガラ。広い駐車場でトイレもあります。
駐車場の標高は約750m!朝の空気が、ツンと冷たくて肌寒いです。とっても綺麗に紅葉していてテンションは鰻登り^^
この後山にも登りましたが、駐車場が一番きれいな紅葉でした(笑) もう少し登った登山口にも駐車場はありますが、遺跡散策するならこっちの駐車場がおススメです^^
標高が高いので、駐車場からの眺めも最高です!透明の看板があって、日本初の山岳鉱山鉄道・別子鉱山鉄道「上部線」のラインが書かれています。
手前に台があるのですが、台上から向かいの山の稜線ラインと、看板の白いラインを重ねると当時の鉄道ルートがわかるようになっています。
すっごい所に鉄道を作ったんですね!もうすでに興奮気味(笑) 登山しない人も、このエリアで遺跡散策するだけなら道も整備されていて山装備もいりません。観光バスが来ると人が増えそうなので、空いているうちにまずは遺跡散策をします♪
東洋のマチュピチュ! 旧別子銅山東平地区
駐車場から見下ろすと、貯鉱庫跡と索道停車場跡が見えます。さっそく東洋のマチュピチュと呼ばれる風景が眼下に!
ところで・・マチュピチュって?
マチュピチュは南米ペルーのアンデス山脈、 標高約2450mの尾根に位置する古代インカ帝国の遺跡だよ!
山裾から遺跡の存在が確認できないことから、「空中都市」「インカの失われた都市」と言われてるんだよ
ここ東平にある石垣やレンガで造られた建物のイメージと、高所にあることからその姿が『東洋のマチュピチュ』と呼ばれ、多くの観光客を集めていますby:いよ観ネット
遺跡の方に下りる階段があるのですが、その手前に【ニュートンのりんご】を発見!この木は、万有引力の法則を発見するきっかけになったリンゴの木の枝を接木したものなんだそうです!
続いてはインクライン跡と書かれた看板がありました。インクラインというのは、傾斜面にレールを敷いてトロッコを走らせるケーブルカーの一種です。当時は生活用品や資材の運搬にかかせなかったであろうインクラインは、現在は220段の階段に変身★
という事で、元インクラインの階段を220段下っていきます。階段を下った場所には、先程上から見下ろしていた、貯鉱庫跡と索道停車場跡が目の前に!
遺跡散策の前に少し東平についてお勉強しておきましょう!
東平は大正5年から昭和5年まで別子銅山の採鉱本部が置かれた所で、地中深くから掘り出された銅の鉱石を坑内電車で東平まで運搬し、そこで選鉱した後、貯鉱庫に貯め、索道を利用して、現在のマイントピア別子(端出場ゾーン)のある端出場へと輸送していた中継所となっていたところです。by:新居浜市観光サイト
最盛期には、社員・家族を含めて約5,000人が周辺の社宅で生活していて別子銅山の中心地として賑わっていたんだよ!
当時の施設の多くは取り壊されたけど、貯鉱庫、索道基地、変電所、第三通洞、保安本部などの鉱山関連施設の一部が現存していて東平の産業遺産観光の目玉になっているんだ^^
東平がどんな所だったか軽く頭に入れたところで、産業遺産を巡っていきます!
東平の産業遺産めぐり:貯鉱庫跡・索道場跡
煉瓦造りの四角い部屋が鉱石を一時保管する「貯鉱庫跡」です。その奥の山側にあるのが「索道停車場跡」!
これから行く登山口の手前にある第三通洞から搬出された鉱石は、電気鉄道により、大マンプ、福井橋、小マンプを通って、終点の新選鉱場へ運ばれました。選鉱場で鉱石と岩石に選別された後、鉱石はこの貯鉱庫に貯められ索道で黒石駅や端出場へ下ろされました。
「索道停車場跡」ではリフトによって運ばれた鉱石や生活用品などが荷卸しされていたそうです。
花崗岩造りの建物が雨風にさらされて風化した様子は、まるで天空の城ラピュタ!
東平の産業遺産めぐり:小マンプ(東平隧道)
「東平歴史資料館」の左手奥に残っている鉱山鉄道のトンネル「小マンプ」にやってきました。「東平歴史資料館」は開館が10時のなので、まだ開いていませんでした。
マンプは坑道のことを「間符(マブ)」と呼ばれていたところからきています。
小さいマンプなので小マンプ(そのままやん)
「東平歴史資料館」の開館中はトンネル内は灯りがつくよ(今は真っ暗)
東平の電車乗り場から第三通洞へむけての坑道にあるトンネルの一つで、石造りのトンネル内には当時使われていた鉱山運搬機器が展示されています。
この次は、第三通洞・変電所跡に向かうのですが本日のメイン【西赤石山】への登山道でもあります。
とても歩きやすく整備された遊歩道になっています^^♪ 昨日は一日中雨が降っていたので足元がまだ濡れていますが、今日は晴れてよかった(^^♪
少し小高い場所に建物が見えます。この建物が第三変電所跡です。
東平の産業遺産めぐり:第三変電所跡・第三通洞
第三変電所は明治37年に新居浜の落シ(落登志:おとし)にあった水力発電所からの電気を変電するために建設されたものです。赤煉瓦造り建物で当時のままの外観が残っています。
周辺は、少し開けた場所になっていますが、かつて東平採鉱本部が設置された所で第三通洞前に暗渠を築き、その上に2階建てで建設されていました。
中に入ることもできます!東平で当時のままの建物が残されているのは、この第三変電所と採鉱本部(現在はマイン工房として利用)だけですが、内部までそのままで残されているのはここだけなのだそうです。
東平坑閉坑になる少し前の昭和40年まで、61年間使用されていました。
第三というのは三番目というのではなく、第三という地名からついたんだよ
内部には二階にあがる階段もありましたが、登る勇気がないまま建物を後にしました(笑)
先ほど登ってきた道を下りて戻ると、分岐点になっています。銅山峰へ向かって第三変電所跡と反対側に進むと登山口があります^^♪ここから山に入っていくのですが、その手前に第三通洞があります。
第三通洞は、明治27年から掘り始め、8年後の明治35年8月18日午前1時に貫通しました。
第三通洞の開通によって、東平時代が幕を開けます。
第三通洞の役割の一つは、長い間に溜まった坑内の水を排水することなんだよ
将来、新居浜へ鉱石を運搬する便宜を図ることも目標としていたんだ
八番坑道内の東延斜坑底まで造られたその距離は、1,818mにもなるそうです!通洞の幅員は3.35m、高さは3.73mです。
現在は寛永谷と柳谷が交わる地点に、閉鎖された第三通洞口が高い石垣に挟まれるような形で残されています。
ここまででも、充分見応えがあります!こんな山奥に、かつて栄えた「空中都市」があったんですね!まさに「失われた都市」マチュピチュと称されるのにふさわしい雰囲気でした!
この先は西赤石山への登山編になるので、後編で詳しく書きたいと思いますが・・最後に順番が逆になるのですがマイン工房をご紹介して前編は終わりたいと思います^^
東平の産業遺産めぐり:マイン工房(旧東平保安本部)
マイン工房は、駐車場から階段を登った所にある赤レンガ造りの建屋です。行きは開館していなかったので、下山後に寄りました。
マイン工房の建屋は大正期は林業課事務所、その後は保安本部として活用されていました。現在は、銅工芸品の手作り体験などができる工房になっています。
マイン工房から現在の駐車場へと続くコンクリート造りのL字型階段が残されていますが(現在は通行不可)この下には、第三通洞・日浦通洞を走っていた電車のホームがあったそうです。
マイン工房では、山バッチを買う事ができます^^ またコレクションが増えました(*^^)v 途中で山に登ったので順番通りとは言えないのですが(笑) 今回のルートは・・
駐車場から約1時間で巡ることが出来ます^^♪ 山登りをしない人は、産業遺産めぐりだけでも充分楽しめますよ!
帰ってきてから詳しく調べたのですが、やっぱり事前にお勉強しておけば良かったです
まぁいつもの事だけど(笑)
今回は寄っていませんが、他にも旧火薬庫口・中マンプ・大マンプ、東平歴史資料館も見る事ができます!そして天気の良い日には、新居浜市街と遠く瀬戸内海を見渡せる絶景地^^♪
いつかは朽ち果ててしまうのかもしれませんが、貴重な遺跡がいつまでも昔の功績と歴史を伝えくれるといいですね! 次回の後編では、いよいよ西赤石山に登頂しますので是非ご覧ください♪
山行前に記事が出来上がってしまうほど(笑)魅力たっぷりな東平産業遺産めぐり編を最後までお読みいただき、ありがとうございました(´艸`*)
“【西赤石山:前編】東洋のマチュピチュ ! 別子銅山で天空の産業遺跡 巡り!” への1件のフィードバック